香の朱

理学療法士の勉強ブログです

ポジティブルールは患者の行動を変える!

ポジティブルール、ネガティブルールという言葉を知っていますか?

私は介入する際にはこのルールに注意し、患者さんと接するように心がけています。

 

 ポジティブルールとネガティブルールとは

 

A「リハビリをすれば歩けるようになりますよ」

B「リハビリをしないと歩けるようになりませんよ」

 

簡単な例文を挙げました。

Aのような「○○をしたら、○○になる」というプラスの結果を示すポジティブな意味を持つ指示をポジティブルールと言います。

逆にBのような「○○をしないと、○○できない」というマイナスの結果を示すネガティブな指示をネガティブルールと言います。

 

ポジティブルールは相手に対して、見通しを与え、行動を強化させます。

ネガティブルールは相手の不安や苛立ちなどを引き起こしやすいと言われています。

 

たまに臨床場面で「やらないと出来ない」とベッドサイドで患者さんと言い合っている場面を見ます。ネガティブルールで行動を促しても、継続してやってくれるようにはなりません。

 

ですが、ポジティブルールで促すことで、「促せばやってくれる」状態から「自らやる」ように行動が強化されていきます。

 

 

効果的なポジティブルールの提示

 

A「リハビリを頑張ったら、良いことがありますよ」

B「立つ練習を頑張れば、今週中にトイレへ行けるようになりますよ」

 

同じポジティブルールですが、皆さんはどちらの方が意欲が出ると思いますか?

 

考えるまでもなく、Bの方がやる気を引き出せると思います。

 

このようにポジティブルールにも適切な使い方があります。

簡単に言えば、行動によって得られる結果や条件を明示することが、行動を引き出しやすくなります。

 

私が臨床で心がけているのは具体的に伝えることです。どんな行動をしてほしいのか、リハビリをやってくださいだけでは患者さん自身もイメージが出来ません。

また、その行動をやることで、どんな結果が得られるのかについても、期日や内容についてなるべく具体的に示します。

 

 

ポジティブルールの注意点

 では、患者さんに対してポジティブルールを使っていこう! と思ってもすぐに言葉にするのではなく一度よく考えてください。

「 A をしたら、 B になりますよ」

 

Aに、やってほしい内容や出来るようになってほしい内容を入れますが、その内容は患者さんがきちんと遂行できるものでしょうか?

最初は無誤学習(erroriess learning)となるように達成できそうな目標や内容にした方が良い反応が得られます。

 

訓練量が多かったり、強度の過負荷によってトレーニングが達成できなかった場合、人によっては「ついていけなかった」「失敗した」と感じ、行動が弱化してしまうことがあります。

 

リハビリ開始時や開始して日が浅く、患者さんとのラポールが形成できていない時期は、成功できる運動内容になるように注意することが必要です。

 

 

普段から何気なく伝えている指示や運動内容についてポジティブな結果を示しながら、介入してみると何か変化があるかもしれません。

ぜひ、意識してみてください。